def 小児科医():

かけだし小児科医が仕事の合間にプログラミングを勉強するブログです。

医者がダイエットに炭水化物が必要な理由を説明する話。

今回はプログラミング関係なし。

4月からダイエットを始め、自分でダイエットアプリを作ったりしている今日この頃。

 

最近はyoutubeで筋トレとかダイエット系の動画をよくみている。

筋トレ、ダイエット動画ではよく「適度な炭水化物が必要」という話が出てくる。

炭水化物を削りすぎると代謝が悪くなって脂肪が減らなくなるという話。

 

<前提>

ダイエットは(摂取カロリー)<(消費カロリー)で成立するので、消費カロリー以上の食事を摂れば炭水化物とかタンパク質とか脂質とか関係なく太る。

 

お医者さん的には「代謝」とか聞くとどこの代謝経路だよ、β酸化と解糖系って関係あったっけか、大学時代にやったな。覚えてないけど。という感想。

 

というわけで今回は

「適度な炭水化物が脂質代謝に影響する機序」

を復習してみた。

 

【TCA回路】※クエン酸回路、krebs回路とも言う

エネルギーを作る(つまり栄養素を使う)には「TCA回路」という代謝経路が回る必要があります。

これは「アセチルCoA」「オキサロ酢酸」が結合して「クエン酸」になり、

なんやかんやあって(この辺は一般の人向けではない)

ATP(=エネルギー)になる。

これが人間がエネルギーを作るメイン回路。メインエンジン的な。

 

【β酸化】

脂肪をエネルギーとして消費するには「β酸化」という代謝が体の中で起こることが必要です。

これによって「脂肪」がなんやあって「アセチルCoA」になります。

この「アセチルCoA」がTCA回路にいくことでエネルギーが作られます。

 

【解糖系】

こちらは糖分(食物繊維を除く炭水化物)がエネルギーになる経路

グルコースがなんやかんやあって「アセチルCoA」になります。

後ついでに「オキサロ酢酸」も産生できます

 

【炭水化物摂取が脂肪燃焼に有効な理由】

脂肪を燃やすβ酸化だけではエネルギーを作るアセチルCoA」「オキサロ酢酸」のうち、アセチルCoA」しか産生できません。

一応サブ回路としてアセチルCoA」のみでエネルギーを作れる「ケトン体代謝」というものもあるが、めちゃくちゃ燃費悪い&体に悪い。

なので、炭水化物摂取で得られる「オキサロ酢酸」と合わせて、「TCA回路」を回すことが効率の良い脂肪燃焼に不可欠ということ。

自分が読んだ本では最低100g/dayはとれって書いてたけど入院中の話だと思うのでダイエット中どれくらいとったほうがいいのかは分からず。

 

※子どもが朝から晩まで遠出して遊びまくって疲れた時やめっちゃストレスを感じた時、風邪や胃腸炎でご飯を食べれない日が続いた時に、「アセトン血性嘔吐症(周期性嘔吐症)」または「ケトン性低血糖症」という状態になることがあります。

これは「ケトン体代謝」が亢進することで体が酸性に傾くことで、体調が悪くなってしまっている状態です。多くが点滴してご飯食べると治ります。

 

【まとめ】

炭水化物制限すると最初は痩せるかもしれないけどすぐに痩せなくなるぞ。

あと体に良くないぞ。

 

【最後に】

一応医師免許持ってるので医学関係の内容は間違ったことを言わないように気をつけていますが、あくまで参考までに留めてください。

この記事に限らずネット記事を過度に信用してはいけません。